資金調達のエッセンス

日々の経営には資金が必要であり、ヒト・モノ・カネがグローバルに動く時代

アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、企業が保有している資産を活用し、資金調達を行うもので、メリットとしては、保有している資産を流動化し、オフバランス化、つまり資産を会計から外すことによってバランスシートをスリム化し、会社の総資産を使ってどれだけの利益を上げることができたのかを分析するための指標であるROAを高め、経営を効率化でき、企業の信用リスクと切り離された資金を調達することができるようになる。

また、保有する特定の事業や資産から生ずる収益のみを返済原資とする非遡及型のローンであるノンリコースローンの活用によって、財務レバレッジをたかめることができます。

従来、コーポレートファイナンスでは、企業全体の信用力がベースとなって資金調達を行っていたのですが、この企業の信用力を切り離し、資産自体の信用力を利用し、資金調達できるということから、企業信用リスクの高い企業であっても低コストで資金を調達することが可能となる。

これは、バブル崩壊後、企業の信用力が著しく低下し、銀行が企業の信用力に応じて融資することが困難となってしまったため、新しい融資の方法として、企業の保有している資産、つまりアセットの価値や、そのアセットが生み出す収益力が注目された。

流れ

世界でも類を見ないほどの高度成長期を体験した日本。

この頃は、日本の資本市場がまだまだ未熟であったため、銀行からの融資が一番の資金調達となっており、この結果、銀くと企業間での信頼関係が生まれ、いわゆるメインバンク制度が形成されていきました。

ちなみにこの当時、日本の金融機関は「護送船団方式」と呼ばれていて、長らく維持され続けることになります。

そしてバブル期。 資金調達は「右肩上がりの株価」と言われた株価の上昇と過剰流動性のなかで容易く行うことができており、この頃から資金調達は直接金融へと流れていきます。

しかし、90年代に入ると、これまで右肩上がりだった株価も急落し、企業の業績も軒並み悪化し始め、さらには借り家の担保となっていた不動産の価値が、一気に低下していきました。

これにより巨額の不動産融資が焦げ付き、大量の不良債権が蓄積されていくことになります。

バブル崩壊後、外国人投資家が徐々に進出しはじめ、ヘッジファンドが登場しクロスボーダー取引が活発化することになります。